【十勝をもっとアクティブに満喫!】第1回 及川雅敦さん

記念すべき第1回目の対談相手は、芽室町でサイクルツアーのガイドを行っている一般社団法人十勝プラス代表の及川雅敦さんです。対談の前にまずは実際にサイクリング!十勝プラスの提供している「めむろ散走」という芽室町を巡るサイクリングツアーに工藤さんと参加。その後場所を移して、ツアーの魅力、ガイドを志したきっかけなどをじっくり伺いました。(聞き手:クナウパブリッシング石崎)

工藤さん

早速ですが、及川さんがガイドを行っているサイクリングツアー。ずばりこの体験の魅力とは何でしょうか。

及川さん

芽室町を自転車で散歩するように巡り、歴史や文化、食などの魅力を楽しむ「めむろ散走」です。もちろん車でドライブするのも良いのですが、自転車で走ることで「いい景色だな」と思ったらサッと道端で停まることができる。これが魅力です。

道中で立ち止まり「これ、何か分かりますか?」とクイズ形式で作物のお話をしてくれる及川さん。豆知識やマニアックな話も交えて説明があるので興味深い!
工藤さん

確かに。全身で自然を感じられるのが良い!あと今回は「電動アシスト付き自転車」でのサイクリングが特徴的でしたよね。

及川さん

そうなんです。ルート内では新嵐山展望台まで坂道を結構登るので、あまり疲れすぎないように電動アシスト付き自転車を採用しています。自転車はあくまで「移動手段」として、道中の景色などを楽しむことを主としています。

出発前に自転車の操作方法を丁寧に教えてもらえるので安心です。
工藤さん

これは、初心者も参加しやすいので嬉しい! 
この「サイクリングツアー」において、及川さんが思うガイドの役割とは何でしょうか。

及川さん

その土地の「日常」を伝えていくこと、ですかね。ツアーに参加する人たちからすると「非日常」の出来事かもしれませんが、地元の農家さんなどからしたら日常ですよね。それを伝えていくということを行っていきたいです。

工藤さん

そうですね。僕の中ではそれを「非日常」と「異日常」という言葉で分けて考えています。非日常はディズニーランドに行ったり、などをイメージしていて、異日常は地元の人からすると日常でも、それ以外の人たちからしたらそうではないこと、と認識しています。
及川さんのバックグラウンドやガイドを志したきっかけを聞かせてください。

及川さん

埼玉県出身ですが転勤族だったので、東日本を中心に転々と引っ越す日々でしたね。大学生のときにポルトガルに留学し、バックパッカーをやっていました。それがきっかけで海外と関われる仕事をしたくて、都内で働き始めました。でも都会の暮らしに疲れてしまって……。
北海道を旅したときに訪れた「ナイタイ高原」の景色がその頃の自分にとても刺さって「将来はこういうところで生活したい」という気持ちを胸に東京に戻りました。が、1年後にはもう北海道に移住していました!

工藤さん

すごい行動力!そして地域おこし協力隊として活動するようになったのですね。ガイドを始めるきっかけは何だったんですか?

及川さん

協力隊に着任当時「サイクルツーリズム」を通して芽室を盛り上げよう、というのが町からのミッションだったんです。そのとき旗揚げ役としてやってみないか、ということでガイドを始めました。

工藤さん

町に求められて、という感じだったんですね。最初はとまどいも多かったのでは?

及川さん

そうですね。でもいざやってみたら「楽しい!」と思って。お客さんの声を直接聞くことができる。それが良いことでも悪いことでも全て糧になっていて、すごく幸せだなと感じています。今ではやり始めて良かったなと思います。

工藤さん

まさに、そこがガイドという仕事の楽しさなのですね。

この日は雲が多く、残念ながら日高山脈がはっきり見えず。「こんなこともありますよね」と山の方を指さすお二人。良い笑顔です。
及川さん

ガイドをするにあたってルートや流れがありますが、その場でお客さんが「気になる!」と思った場所などに立ち寄ることも多くあります。こちらが見てほしいものだけをぶつけるのではなく、そのときにお客さんが求めていることを読み取って返していく、というのもとても大切ですね。そうすることでお客さんはもちろんですが、ガイドをしているこちら側も「こんな視点があったのか」と気づき、お互いに視野が広がっていくと思います。
あとはなにより、対面で関わることこそが人間らしい営みなのではないかなと思います。

工藤さん

特に今の時代、人間関係が希薄になりがちですよね。コミュニケーションをしっかりと取れる機会、大事。

及川さん

都会の生活に疲れて北海道を旅したとき、たまたま立ち寄った食堂のおじいちゃんから「とうきびあるから持っていきな!」と声をかけられて。北海道に住んでいたらよくある出来事かもしれないのですが、初めての経験でした。「なんてあったかいんだ」と心に染みました。

工藤さん

そういった経験、とても記憶に残りますよね。

及川さん

こういった経験も含め、十勝の豊かな暮らしをより伝えられるようもっと成長していきたいと思います!さらにはガイドも増えていってくれるといいなと。自分が今やっていることはぶれずに続けていきたいです。

工藤さん

では最後に、アドベンチャートラベル(AT)という事業について及川さんはどのように考えていますか?

及川さん

今行っている「めむろ散走」は、元々農家さんがどんなものを食べてどんな生活をしているかなどの日常を消費者に知ってほしいと思って始めました。その土地の暮らしの中に入っていくという点において、ATと近しいものがあると感じています。また、インバンドの人たちにも十勝での豊かな暮らしを体験してほしいです。
十勝全体でツアーのコンテンツも増えていますし、この機会にどんどん進んでいくと良いなと思います!

作物の収穫や放牧牛がゆったりと過ごす様子など日常の一コマ一コマに及川さんの楽しい解説があり、芽室町がより魅力的に映るサイクリングツアー。お二人のガイドに対する思いや今後の展望も伺い、こちらも胸が熱くなりました。これからの及川さんの取り組みに注目していきたいです。

及川さんのサイクルツアーに興味がある方は、一般社団法人十勝プラス(090-9337-4073)までご連絡ください。
【HP】http://tokachiplus.com
【Instagram】https://www.instagram.com/tokachiplus19

工藤さんが勤務するデスティネーション十勝では、十勝でガイド業にチャレンジしたい方を募集中!
なんとなく興味を持っているという方も歓迎です。
募集期限:2025年2月28日(金)まで
問い合わせはこちら jimukyoku.dt★gmail.com(★を@に変更して送信してください。)
担当:工藤

最近の旅行トレンド:アドベンチャートラベル(AT)

アドベンチャートラベルとは「アクティビティ」「自然」「異文化体験」の3つの要素のうち2つ以上を組み合わせた旅行形態のこと。本質的にはアクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行い、地域の人々との触れ合いを楽しみながら、その土地の自然と文化をより深く知ることで自分の内面が変わっていくような旅行体験のことを指します。アドベンチャートラベラーが満足するツアーを提供するためには、地域を案内するガイドの存在が必要不可欠なのです。