【パンのある日々。】ベーカリー以外で見つけたこだわりのパン

実は十勝には、パン屋じゃないのにパンをつくって販売している人たちが意外と多い。カフェやスイーツショップ、惣菜店から蕎麦屋まで。一つひとつ丁寧につくられた、知る人ぞ知るおいしい自家製パン。各店こだわりの逸品を訪ねました。

菓子の家の「クロワッサン」

「クロワッサン」(260円)の焼き上がりは11時。60個限定のため早めのご来店を。他にも左写真の「あんデニッシュ」(357円)や「シナモンロール」(357円)など、約5種類のデニッシュパンも販売しています。

菓子職人こだわりのさくさくもっちり食感

見かけたらつい買ってしまうほどクロワッサンが好きだという店主の佐藤さん。自分が食べたいものを作ろうと、約10年ほど前から販売を始めました。佐藤さん曰く、クロワッサンは「パイの延長線」なのだそう。生地を冷やして発酵を抑えながら成形することで、幾重にも折り重なった美しい層を実現。外側はさっくり、中はもっちりとした食感を生み出しています。さらに専用の発酵バターを使用することで、芳醇な風味とコクをプラス。お菓子作りの真髄が詰まった、店主こだわりの逸品です。

菓子の家
電話番号 0155-66-9035
住所 帯広市西9 南11-2-1 
営業時間 10:00 ~ 19:00
定休日 火曜

Cafe & restaurant繪麗の「カニパン」

カニパンはカフェのイートインメニューでも1個110円から注文が可能。スープなどを合わせて注文し、独自のセットメニューを作る通な方もいるようです。

つぶらな瞳に小さなハサミ、キュートな見た目の40年選手

レーズンの瞳に艶やかな甲羅。愛嬌のある姿で親しまれるカニパンは、カフェのマスコット的存在として世代を越えて長く愛されてきました。毎朝カフェのオーブンで、100個から150個ほど焼き上げられ、入口手前の商品棚に陳列されます。価格は一袋に3個入りで330円。来店者の多くはカフェでの食事が目的ですが、カニパンを求めて訪れる人も少なくないそう。

カニパンが誕生したのはカフェがオープンした1976年のこと。開店に際して、オリジナリティのあるメニューを模索していた初代店長の佐々木豊子さんが、娘の直美さんと共に作り上げました。

「十勝の人に長く愛されるよう愛らしい姿になれと、思いを込めて作りました。この形にはこだわりがあるんです」と直美さん。甘さを調整したり、十勝産小麦を取り入れたりと、時代に合わせて素材を変えることはありましたが、姿形は今もオープン当初のまま。焼き型は作らず、毎朝一つひとつ丁寧に成形しています。粘土を捏ねるように足を5本作り、甲羅の生地で束ねたら、ナイフで小さな切れ込みを入れてハサミを成形。溶き卵を塗って焼き上げれば、つやっとしたお馴染みの姿に。足が長い、丸っこいなど作り手によって個性が出るのはご愛嬌。この機会にあなた好みのカニパンを見つけてみてください。

Cafe & restaurant
繪麗
(エレ)
電話番号 0155-41-3181
住所 帯広市西18南5 
営業時間 11:00 ~ 16:00、18:00 ~ 22:00
定休日 日曜

パンとお惣菜の店ブォーノピアットの「くるみキャラメル」

デニッシュ生地の「くるみキャラメル」(280円)。十勝産小麦をオリジナルブレンドした生地とバターを丁寧に折り込み層にしています。トーストして上にアイスをのせるのがおすすめだそう。

本格的なイタリアン惣菜とパンの組み合わせ

イタリアンレストラン「カフェロゼッタ」が、コロナ渦を機にテイクアウト専門店としてリニューアルしました。店主の巴さんによると「食事パンのノウハウを活かしデニッシュを売り始めたところ好評で、種類を増やして作るようになったんです」とのこと。店内には人気メニューの「オリーブと玉ねぎのパン」(450円)を始めとする、約20種類のパンがずらりと並んでいます。ロゼッタ時代に前菜で提供していたメニュー「タコとピクルス」や「ツブとズッキーニ ツナのマリネ」(各380円)もおすすめ。

パンとお惣菜の店
ブォーノピアット
電話番号 0155-22-9424
住所 帯広市東3南10-17 
営業時間 11:00 ~ 19:00
定休日 水・木曜

cafe BLUE BIRDの「丸パン・くるみ丸」

「くるみ丸」「ぶどう」「シナモン」「食パン」「ベーグル」などシンプルですが滋味深いパンが豊富です。カフェメニューは「きびざとうのプリン」(食後430円、ドリンクセット930円/左写真)がイチオシ。

道産小麦ときび砂糖のやさしいパンたち

おびひろ動物園周辺の住宅街に店を構えるカフェブルーバード。開店当初から自家製パンにこだわり、メニューに使用する分はもちろん、陳列棚にも常時5種類ほどが並びます。道産小麦を使用したパンは、ほんのりとした甘みにもっちりとした食感が特徴的。きび砂糖を使用することで、よりやわらかい甘さとヘルシーさが。一番人気は「丸パン」(200円/写真左手前)。小ぶりなサイズ感がお子様にも好評で、朝から朝食用にと買い求める人もいるとか。購入は種類の多い午前中がおすすめです

cafe
BULE BIRD
(ブルーバード)
電話番号 0155-67-0143
住所 帯広市西16南28-6-8 
営業時間 月~土曜 9:00 ~ 17:00、日曜、祝日 11:00 ~ 17:00
定休日 水曜、他不定休あり ※Instagram・HPでご確認を

食膳場 森脇の「カレーパン」

「カレーパン」と「あんドーナツ」(各250円)。和風だしを使わず、辛みを抑えたコクのある濃厚なカレーです。あんドーナツは現店主の初美さん考案。つぶあんとこしあんの中間ほどのなめらかさ。

そば屋の意外な大人気商品はカレーパン

幕別産のそば粉と地場野菜を使用し、人の顔ほどの大きなごぼう天の「ごぼう天そば」(900円)が看板メニューの食膳場森脇。しかし、次に人気があると言っても過言ではないのが「カレーパン」だそう。創業当時からの商品で、先代が「さまざまな人が気軽に来店できるように」とそば以外のメニューを置いたのだといいます。注文を受けてから揚げるので外はカリッと、中はギュッとつまったモチモチの生地。カレーそばやカレーライスもありますが、カレーパンのカレーは別に作るというこだわりぶりです。

食膳場
森脇
電話番号 0155-54-4124
住所 幕別町本町64-2 
営業時間 11:00 ~ 14:30(L.O.14:00)(品切れ次第終了)
定休日 木曜

一糸と庭Cafeの「自家製焦がしバターのクロワッサン」

クロワッサンは1つ300円。温めるといっそう風味が楽しめます。(左写真)和の素材を使用したお菓子たち。秋には「巨峰のつつみ菓子」(500円)や、「八女抹茶のティラミス」(450円)がおすすめです。

バター好きにこそ味わってほしいクロワッサン

昨年7月にリニューアルした際に新しく誕生した一糸のクロワッサン。ひと目で「一糸のクロワッサン」とわかるコロンとまるいフォルムが特徴です。たっぷり使用している十勝産バターに関連づけて牧草ロールをイメージしたのだそう。菓子店ならではのパンにしたいと、フィナンシェ等に使用している焦がしバターを練り込むことで、より芳醇な香りに。表面はザクッと、中は十勝産小麦のもっちりとした食感が楽しめます。ボリュームもあり満足感たっぷり。ぜひ焼きたてを味わってみてほしい一品です。

一糸と庭Cafe
電話番号 0155-66-7290
住所 幕別町札内中央町528-12 
営業時間 10:00~18:00
定休日 木・金曜