【お酒のことならこのひとに③】ソムリエのいる店『プチ・プレジール』

普段何気なく飲んでいる酒も、飲み方やあわせる料理によって千変万化。今夜は酒のプロがいる店でかつてない酒体験をしてみよう。第3回目は、ソムリエの阿部さんがいる「プチ・プレジール」を訪ねた。

「ワインも料理も楽しんだもの勝ち。少しの知識があれば、より深く楽しめる」

料理やワインについていかに提案できるかが、その空間を楽しめるかどうかにかかってくる。屋台は料理を作る人やワインを勧める人とお客様との距離が近いので、コミュケーションの機会がたくさんある。屋台ならではの空間作りにソムリエとしての知識は役に立っているのだという。「この料理に合うワインは何ですか?」など積極的に質問してみよう

プチ・プレジールとはフランス語で「小さな喜び」の意味。店主でソムリエの阿部さんは「ワインを飲みつつ料理を食べて、どちらも美味しい瞬間『マリアージュ』が完成した時、至高の喜びを感じる」と話す。

プチ・プレジールが北の屋台に誕生したのは18年前。全国の屋台村ブームの先駆けとして当時多方面から注目され、多くの人が視察に来ていた北の屋台。その中に、ソムリエ界の巨匠・田崎真也さんがいた。

田崎さんは「一緒にワインを学びましょう」と阿部さんに声をかけたという。常々ワインの勉強をしたいと考えていた阿部さんの情熱は一気に高まった。「知識があると自信になり、お客様とコミュニケーションが増える」との思いで屋台を切り盛りしながらワインについて学ぶ日々を経て、見事ソムリエの資格を取得した。

「ブドウが作られる土地、天気、人など様々な要因でワインに個性が生まれる。料理に使う食材にも同様に個性があり、それをどう調理するかでワインとの組み合わせに様々なバリエーションが生まれる。だから勉強はかかせない」。

シェフで妻の郁子さんが作る欧風家庭料理との組み合わせにも磨きがかかり、有名グルメガイド北海道版で高評価を獲得するまでになった。「ワインも料理も背景を知るとより深く楽しめる。どちらも楽しんだもの勝ち」と話す阿部さんは心底楽しそうに屋台カウンターの中央に立っている。

店主・ソムリエ
阿部 誠(あべ まこと)


2001年の北の屋台の立ち上げに携わり、2期目となる2004年に出店者として欧風料理屋台プチ・プレジールを開業。2010年にソムリエを取得。

プチ・プレジール
電話番号 090-1643-8810
住所 帯広市西1条南10丁目7 北の屋台
営業時間 17:00~22:00(L.O.)
定休日 水曜

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