【お酒のことならこのひとに①】唎酒師のいる店『酒処 丹の』

普段何気なく飲んでいる酒も、飲み方やあわせる料理によって千変万化。今夜は酒のプロがいる店でかつてない酒体験をしてみよう。第1回目は、国際唎酒師のダンさんがいる「酒処 丹の」を訪ねた。

「日本酒は辛口だけじゃない。ワインに負けない味の幅広さをぜひ楽しんで」

カウンターには3年以上寝かせた熟成酒が並ぶ。コクが生まれ、ウイスキーが好きな方にもおすすめだそう。一番おいしい状態で提供できるようにと、お酒の管理に気を配るのも唎酒師の大切な仕事だ。

「酒処 丹の」には全国各地から仕入れた、約60種類以上もの日本酒が揃う。決まったメニューはなく、国際唎酒師の資格を持つダンさんが、客の好みに合ったお酒を提供している。

柚子酒が好きだと伝えると、「これはどうかな」と棚からボトルを取り出してくれた。「白糀で作られているから、グレープフルーツのような柑橘系の甘みがあるよ」と、おすすめの1本を導くまでのスピードはさすがのもの。豊富な知識量に驚いていると、「散々飲んでるからね。飲んで勉強、勉強」と仕事の楽しさを語ってくれた。

冷蔵庫には全国各地の銘酒がずらり。撮影のために明かりを点けてくれたが、本来は蛍光灯の紫外線がお酒に良くないため消灯している。

ダンさんが日本酒と出会ったのは1990年頃のこと。当時カリフォルニアで製造されていた大関酒造の清酒を飲み、「これはおいしい」とあっという間に日本酒の虜になった。2016年には日本人の妻とともに帯広へ移住。

そしてオープンから間もなかった「酒処 丹の」を訪れ、店を気に入ったダンさんはすぐさま働きたいとフェイスブックでオファー。その後皿洗いとして働き始めた。現在は店長として店に立ち、多くの人に日本酒の魅力を伝えている。

「日本酒は作り手によって味がまったく異なる。辛口だけではなく、フルーティーで爽やかなものから、旨みのあるものまで、ワインに負けないくらいの味の幅があって本当にすごい」。

日本酒をあまり飲んだことがないという人も、ぜひ気兼ねなく訪れてほしい。ダンさんがきっとあなただけの一本を選び抜いてくれる。

国際唎酒師
ダン メトカフ(Dan Metcalf)

アメリカのインディアナ州出身。2016年にロサンゼルスから帯広へ移住し、「酒処 丹の」で働き始める。2017年には国際唎酒師の資格を取得。現在店長を務めている。

酒処 丹の
電話番号 0155-67-8169
住所 帯広市西1条南10丁目15 丹野ビル(旧はせがわビル)2F
営業時間 18:00~24:00
定休日 日曜、第1・3月曜

※掲載内容は2022年7月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
※お酒は20歳になってから。
※飲酒運転は法律で禁止されています。