【世界も認めた十勝のチーズ】2020-2021 アワードチーズ

日本、そして世界の業界人が認めた最高峰のチーズたち。それぞれの工房の情熱の結晶を、目で、鼻で、舌で。五感で感じてみてください。

【共働学舎新得農場】グランデ・シントコ

World Cheese Awards 2021　SILVER
毎年ヨーロッパで開催され、40ヵ国以上から4,000点以上のチーズが出品される世界最大級のコンテストです。

放牧ミルクと長い熟成が生む
コク深い味わい

自然の摂理にあわせた環境でチーズ作りを行う共働学舎新得農場。チーズ作りに向いたブラウンスイス牛は、5～10月は昼夜通して草地でのんびりと放牧されています。

「グランデ・シントコ」は、青草をたっぷりと食べて乳質がよくなる放牧期間のミルクを使用しています。熟成期間は16～18ヵ月という長期間。その間職人がじっくりと磨きあげます。長い熟成によりたんぱく質は分解されアミノ酸の旨みとなり、ナッツのような芳醇なおいしさに。「グランデ・シントコ」の販売は毎年11月中旬頃ですが、出荷量はごくわずか。すぐに在庫がなくなる稀少なチーズです。

新得の地名はアイヌ語の「シントコ（宝物を入れる漆器）」に由来するといわれますが、味わい深いミルクと熟成期間が生み出した、まさに宝物のようなチーズです。

【しあわせチーズ工房】幸（さち）

Japan Chesse Awards 2020　グランプリ
2年に1度開催される国産ナチュラルチーズのコンクール。2020年は全国78の工房から選りすぐりのチーズ233種類が出品されました。審査は「チーズプロフェッショナル」の資格を有し、本アワードの研修を修了した81人が担当。

山上の工房から
感謝を込めて

チーズ職人の本間幸雄さんは、理想のチーズ作りを目指して北海道十勝に移住し、しあわせチーズ工房を立ち上げました。チーズ作りに欠かせない生乳は、彼が信頼を置く足寄町の「ありがとう牧場」で搾ったもののみを使用しています。

広大な自然の中で放牧され、ストレスのない環境で育てられるありがとう牧場の牛たち。5～11月の放牧期間中の生乳は味と香りがとても良く、発酵する力も格別です。最高の生乳のみで作られる「幸」は、昔ながらの銅釜で製造され、その後安定した温度の熟成庫で6ヵ月から最長18ヵ月寝かせて完成。長い時間と労力をかけて作られています。

一口食べると感じる、青草の香り、そして熟成した深い旨みと甘み。ナッツやキャラメルのような香ばしさも感じます。足寄町茂喜登牛の山の上でしか作れない、「ありがとう」と「しあわせ」の思いが込められたチーズです。

【チーズ工房 NEEDS】ラクレット

World Cheese Awards 2021　GOLD
毎年ヨーロッパで開催され、40ヵ国以上から4,000点以上のチーズが出品される世界最大級のコンテストです。

世界が認めた
ワールドクラスの味わい

2003年に開業して以来、ジャパンチーズアワードなど名だたるコンテストで入賞し続けるチーズ工房NEEDS。幕別町で100年以上続く新田牧場に隣接し、常に新鮮な生乳で高品質なチーズを生み出しています。

2011年頃から製造を開始したラクレットは、表皮を丁寧に拭きながら3ヵ月間じっくり熟成。加熱することで滑らかに溶け出し、より香りが増す逸品です。ラクレット特有の香りが海外産のものよりやわらかく、マイルドで食べやすいとすぐに人気商品の仲間入りを果たしました。

2019年のALL JAPANナチュラルチーズコンテストで審査員特別賞に選ばれ、初めて手に入れたWCAへの出品権利。初出品で見事GOLDに輝きました。世界的コンテストでの金賞受賞は、工房に驚きとともに、さらに上のSUPER GOLDを目指すという新たな夢をもたらしました。

▼フロマジェ、長原ちさとさんが今回取り上げたチーズを徹底解説！ぜひこちらもご覧ください。

フロマジェ 長原ちさとさんのアワードチーズ解説

堅さ、余韻、塩味、旨み、風味の5つの観点からアワードチーズを解説していただきました。相性の良い食材もぜひチェックしてみて。

shun.tv

※掲載内容は2022年10月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。