【TOKACHI’S SAUNA】十勝のサウナが注目されているワケ

サウナの新聖地と呼ばれ、全国的に注目を集めている十勝のサウナ。なぜ、それほどの盛り上がりを見せているのか。2 0 2 0 年に発足した十勝サウナ協議会発起人の林克彦さんに語っていただきました。

フィンランド式サウナを十勝へ

日本のサウナは、ドライサウナと呼ばれるタイプがほとんどで、フィンランド式サウナを導入したのは、十勝では北海道ホテルが初めてなんです。2019年6月でしたね。以来サウナに20～30代の若者が来てくれるようになり、3割は道外からのお客さんになりました。売上はリニューアル前の1.4倍！　
その後は、十勝管内の温泉施設の経営者さんたちに、フィンランド式のすばらしさを伝えまくりまして。どんどん仲間を増やしていった結果、十勝のフィンランド式サウナは、10施設以上にまで増えました。

実はサウナが嫌いだったんです

サウナ伝道師のようなぼくですが、もともとはサウナが大嫌いでした。肌が弱いもので、ドライサウナに入ると肌が乾燥してしまって。転機になったのはサウナ業界で大変有名な「ととのえ親方」との出会い。お仕事でお会いする機会があり、そのときにサウナに連れていかれたんです。
フィンランド式サウナに出合ったのはこの時でした。壁に水をかけるウォーリュを初体験し、肌や喉が潤うことにびっくり。初めて水風呂にも入り、外気浴をしたらふらふらになって。これが「ととのう」という感覚だと教わりました。その夜はあっという間に熟睡できて、「これはすごい」と、サウナにどハマりしたんです。

フィンランドと十勝は気候も環境も似ている

ハマって3ヵ月ほどで、本場フィンランドのサウナツアーにも参加したのですが、「十勝とフィンランドは気候も環境もそっくり！」とインスピレーションを受けました。農業と畜産が盛んで、白樺や針葉樹などがある。これは、十勝でフィンランド式サウナを広めたい！と思ったんです。

街単位で盛り上げたい

フィンランド式サウナは、ロウリュができる、水風呂に温度計をつける、外気浴用のととのい椅子を用意する、など細かいルールがあるんですよね。温泉施設の方には、そのルールをお伝えしていきました。
大事なのは、街単位で盛り上げること。施設が一つだけだと、経済効果はどうしても限定的。今は施設が増えたので、十勝の10のサウナ施設の中から4施設を利用できる「サウナパスポート」も始めています。十勝が聖地とまで言われるようになったのは、地域みんなで取り組んだ相乗効果だと思っています。

加藤先生に教わるサウナの効能8

見た目がよくなる
血流が促進されることで肌の新陳代謝が促進。肌の調子が整います。また代謝が上がり痩せ体質に。むくみにも◎。

脳疲労がとれて頭がスッキリする
熱いサウナの中は、まさに極限状態。強制的に思考が停止します。いろいろと考えてしまう状態を遮断することで、脳の疲れが取れて頭の中がクリアに。

肩こり・腰痛・眼精疲労がやわらぐ
温熱効果によって凝り固まった筋肉がやわらぎ、体中にたまった疲れが取れます。

アイデアやひらめきが舞い降りる
β波が右側の頭頂葉で増加することが分かっており、アイデアが浮かびやすい状態に。

決断力と集中力がアップする
α 波が正常化し、認知機能（ワーキングメモリー）や集中力の向上につながります。

睡眠がコントロールできる
短時間で深い睡眠が得られるようになり、日中の眠気も防ぐことができます。

感情的にならなくなる
イライラしていた気持ちが緩やかになったり、不安な気持ちが落ち着いたり。リラックス効果が高まり、メンタルが安定しやすくなります。

感覚が鋭敏に
サウナに入ることで、味覚や触覚、嗅覚、聴覚などの五感が研ぎ澄まされて敏感になります。

押さえておくべきサウナ用語

◆ドライサウナ
日本で一般的に「サウナ」として知られているのはこちら。蒸気を使わず、乾燥している室内で楽しむタイプ。温度は80 ～ 100℃。湿度10％程度のものが多め。

◆ウェットサウナ
ドライサウナより比較的温度が低く、湿度が高いのが特徴。さらにいくつか種類が分かれ、温度が70 ～ 90℃、湿度が40 ～ 60％程度のものは「フィンランド式サウナ」と呼ばれる。

◆ロウリュ
フィンランド語で「蒸気」。熱せられたサウナストーンに水をかけて湿度を上げ、体感温度を上げることで発汗作用を促す。

◆ととのう
サウナ後の心身ともに気持ちがよい状態をいう。「サウナ浴（5～10分）→水風呂（1～2分）→休憩（5～10 分）」が基本の1 セット。3～4セット行うのがより効果的とされる。