【お酒のことならこのひとに②】ソムリエのいる店『CARDINAL』

普段何気なく飲んでいる酒も、飲み方やあわせる料理によって千変万化。今夜は酒のプロがいる店でかつてない酒体験をしてみよう。第2回目は、シニアソムリエの加藤さんがいる「CARDINAL」(カーディナル)を訪ねた。

「コロナ禍は十勝の生産者さんたちのところを巡り、交流を深めてました」

コース料理の一皿「十勝しんむら牧場の放牧豚のポワレ 十勝足寄町の本間さんのチーズ茂喜登牛のソース 2年熟成の井上農場のメークインのピューレ 幕別町折笠農園の2年熟成さやあかねのグリエ」。オール十勝の1皿に合わせるのは「ドメーヌ・ド・モンティーユ ブルゴーニュ ピノ・ノワール」。コース料理は6皿5,000円~。

オーナーシェフでありながら、シニアソムリエの資格を持つ人物は全国的にみても珍しい。度々話題に上がるであろうこのことも「飲食業をやっているからにはワインを極めたいと思って。意識して取得したわけではありません」とあくまで自然なスタンスの加藤さん。

両親が営んでいた店を22年前に受け継ぎ、エスニック料理店としてリニューアルオープンした「CARDINAL」がフレンチに転向したのは2006年のことだ。

「藤丸が地下の食料品売り場を改装したタイミングで、たまたまイベントで東京からきていたソムリエがいて。その方に自分の作った牛タンの赤ワイン煮込みに合うワインはありませんか、と尋ねたんです。そうして教えていただいたフランス南西部の赤ワインがおいしくて。それまで赤ワインが苦手だったので驚きました」。

自身でもさまざまなワインと合わせてみたが、教えてもらった赤ワイン以上に合うものはなかった。こうした体験を経て、料理と酒のペアリングの奥深さに気づきソムリエの資格を志したという。フランスでの料理修行から戻ってきた年に、ソムリエの上位資格であるシニアソムリエを受験。合格率が20%ほどという狭き門を見事合格した。

自ら生み出す料理と、膨大な経験と知識から導き出されるペアリング。加藤さんの表現する完全無敵のマリアージュに魅了される人は後を経たない。

シニアソムリエ
加藤 喜啓(かとう よしひろ)


2000年にCARDINALをリニューアルオープン。2006年ソムリエ資格を取得。2009年に渡仏しパリのレストランで修行。2010年にシニアソムリエの資格を取得した。

CARDINAL
(カーディナル)
電話番号 0155-24-9921
住所 帯広市西1条南10丁目6
営業時間 18:00~23:00
定休日 日曜 【完全予約制】

※掲載内容は2022年7月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
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