まだ残雪残る北国の早春、新得町の国道38号線からほど近い拓鐵キノコタンの林間から楽しげな声が広がります。近づいてみると、白樺の木々の周りに集まって何かをしている様子。「白樺の樹液の採取体験を行っています」と教えてくれたのは新得町観光協会の木下さん。大地の恵みを体感する白樺樹液の採取体験にしゅん編集部も一緒に参加してみました。
白樺の木々から春の恵みをお裾分け

この季節、白樺たちは春の芽吹きに向かって大地の水をぐんぐんと吸い上げ、蓄えていきます。そこで木の幹に小さな穴を開けてみると、木々が吸い上げた水が穴からぽとぽとと溢れてきます。これが白樺の樹液。無色透明な見た目で、香りも無臭に近く液体はさらさらとしています。口に含んでみると、口当たりがやわらかくまろやか。ほのかに甘みを感じることができ、スーッと身体に馴染んでいくような心地がします。

新得町観光協会では4月4日~20日までの木曜~月曜の13日間、白樺樹液の採取体験会を実施中。取材日には春休みを利用して来道していた千葉県在住のご家族と、横浜から祖父母の家に遊びにきていた小学生が参加。白樺の樹液を採取するのは初めてと興味津々です。

体験では白樺の樹液を採取するため、参加者が各自持ち寄ったペットボトルを自分で選んだ白樺の木に装着。穴から樹液が溢れてくる場面では「わ~出てきた!」と歓声も。森の木々の生命のエネルギーを感じる瞬間です。



樹液が貯まるまでの間は焚き火に当たって、白樺樹液で淹れたコーヒーと水道水で淹れたコーヒーの飲み比べをしながらまったり過ごします。オプションで拓鐵キノコタンの原木シイタケきのこ狩り体験も可能。収穫したシイタケも焚き火で炙って食べることができます。


マシュマロも炙ったりとゆったり焚き火を楽しんでいたら時間が経つのもあっという間。そろそろ樹液が溜まった頃と見に行くことに。「見てみて!すごい溜まってる!」と軽やかな声につられて設置した根本を見ると500mlのペットボトルに、あと少しで満杯になりそうなくらいに溜まっていました。気温や木々によっても異なるそうですが、この日は1時間程度でこの成果。観光協会の木下さん曰く「昨日は寒くて全然だったので、今日はたくさん出てくれて安心しました」とのこと。なるべく気温が高そうな日を狙うのがおすすめかもしれません。

採取した後は開けた穴をしっかりと木で塞ぐことで、白樺にはダメージが残らないようにケア。自然に負担を掛けないように心がけ、自然の再生サイクルの中で体験を提供しているとのことでした。
採取した樹液はお持ち帰りすることができます。そのまま味わうのはもちろん、自宅でコーヒーを淹れるのに使ったり、お料理に使ったり、楽しみ方は自由です。ただし保存は冷蔵庫で。自然のものなので当日~翌日までの間には使い切ってくださいとのこと。焚き火中にどう使うのかみんなで話してみるのもいいかもしれません。
自然の恵みと生きる力を間近に感じることができる、早春だけの貴重な体験。北海道の代名詞的な樹木である白樺を見るだけではなく、手で触れ、舌で味わってみてください。
【開催期間】
2025年4月4日(金)~4月20日(日)13日間
※火曜・水曜の開催はありません
①10:00~ ②14:00~ ※2部制
【所要時間】
1時間30分~2時間程度
【集合場所・会場】
拓鐵キノコタン(新得町拓鉄155番地)
【参加料金】
大人1名 2,500円、小学生1名 1,500円 ※幼児および見学のみの場合は無料です。
★オプションで拓鐵キノコタンの原木しいたけきのこ狩り体験も可能。前日15時30分までに、拓鐵キノコタン(TEL:0156-67-9105)までお申し込みください。
【持ち物】
樹液水のお持ち帰りをご希望の方は空のペットボトル(500ml1~2本)をご持参ください。
【お申し込み・お問い合わせ】
一般社団法人 新得町観光協会
TEL:0156-64-0522
営業時間 平日8:30~17:15
前日15時まで受付可能(ただし平日に限る)
★予約制の体験ですので、必ずご予約ください。
【注意事項】
・2組で10名様に満たない場合、3組目以降の受付をする場合があります。
・気温により樹液水が出てこない場合がありますので、予めご了承ください。
・樹液水が出ないことが予想される場合は前日にご連絡いたします。
・当日の天候により体験を中止する場合がございますので、ご了承ください。
一般社団法人 新得町観光協会
電話番号 0156-64-0522
住所 北海道上川郡新得町3条南4丁目26番地 役場産業課内
営業時間 平日8:30~17:15
定休日 土・日曜、祝日