月々の生活費を捻出しながら教育資金を貯める方法を実践的に紹介します! 「返済の必要なし!奨学金一覧」などのお役立ち資料もぜひご活用ください。
リブラス株式会社 奥寺秀一さん
子ども一人の教育費の内訳は?
先日、知り合いのお子さんが大学に進学されたのですが、すごくお金がかかったそうなんです。うちの息子は来年から幼稚園。今から教育費を貯めておかないといけないのかな、って不安になりました。
子どもの教育費、気になりますよね。文部科学省の学校基本調査によると、幼稚園から高校までの教育費用(給食費、部活動費含む)は約500万円。国立大学進学の場合は、入学金・授業料+4年間の仕送り額(月5万円)で約500万円。つまり、幼稚園から大学までの子ども一人頭の教育資金は、約1,000万円という計算になるんです。
1,000万円ですか!!! どうしましょう奥寺さん、そんなお金貯められません!
大丈夫ですよ! 半分の500万円は幼稚園から高校までの15年間でかかるお金なんです。
15年間で…。そうなんですね。
そうです。月々にすると27,800円(500万円÷15年÷12ヵ月=27,800円)。この27,800円は日々の生活費から捻出する、と考えていただいて、大学費用の500万円を大学入学時までに資産形成するのがおすすめです。
半分になってちょっとホッとしました。でも、500万円も相当ですよね! お子さんの人数が多い家庭なんて、考えるだけですごい…。
給料の中から貯蓄していく、というのはなかなか大変ですよね。
はい、それはもう。かなり難しい!って思います。
大学費用の500万円は、「児童手当」から貯めよう!
おっしゃる通り、月々の教育費や生活費を捻出しながら、お子さんの大学入学時までに500万円を貯める、というのは大変なことです。
はい、その通りです。きっとうちだけじゃないと思います。
そこでおすすめなのは、給与以外の収入「児童手当」を使ってコツコツ貯めていく、という方法です。児童手当は15歳までもらえますので。
うちも今、毎月15,000円もらっています。
そうですよね。児童手当は3歳未満は一律15,000円、3~12歳は第1子と第2子は10,000円、第3子以降は15,000円、中学生は一律10,000円となっています。
なるほど。15年間ずっとこの額がもらえるんですね。
そうです。ただ、2020年12月に改正がありまして、所得制限が変わりました。夫婦どちらかの年収が1,200万円以上の世帯は児童手当が廃止となりました。一定以上の所得がある世帯でも、年収960万円以上1200万円未満の世帯は、これまで通り特例給付が支払われます。下の表(表1/児童手当)でもご確認ください。
所得制限がない家庭で考えた場合、児童手当を15年間貯め続けたら、結構な額になりますよね。
その通りです。例えば、第1子の児童手当を15年間貯めた場合、誕生月によって異なってくるのですが、合計で約198〜209万円になります。
表1 児童手当
【所得制限】
●年収1,200万円以上(夫婦のうち高い方の年収)の場合は廃止
●年収960万円以上1,200万円未満の世帯は月額5,000円の特例給付
※所得制限は扶養家族の数によって異なりますが、例えば会社員の夫・専業主婦の妻・子ども2人の場合、夫の収入が960万円(所得736万円)以上なら特例給付の対象になります。
※詳細は内閣府公式サイト「所得制限限度額」一覧表参照https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html
すごい、結構な額になるんですね! 思っていたより多いです。
そうなんです。ただし、せっかくの児童手当を銀行や郵便局に貯金したまま、という方もいると思います。
う、うちもそうです…。
今は超低金利の時代ですので、それではお金は増えません。貯蓄型の保険にすると、生命保険特別控除があり、受け取り時に最高50万円まで控除されますし、お金が増やせるという部分でも良いやり方です。また、保険に比べてリスクはありますが、自身で勉強して運用してみたいという方には「積立NISA」という方法もあります。
なるほど! 勉強になります。
どこまでの金額を準備するかは夫婦で話し合いを
大学に進学した場合の費用は、国立大学か私立大学か、親元から通うのか離れるのか、でも違ってきます。
そうですよね。十勝の場合は、札幌や本州に進学させるケースも多いですし、その場合はさらに費用がかさみますよね。
はい。ですので、親としてどこまでの額を準備するのかを夫婦で話し合っておくことも大切です。下記の表(表2/国立大学でかかる教育費)に、国立大学でかかる教育費約500万円の内訳をまとめてみました。
表2 国立大学でかかる教育費
こういう内訳になるんですね。全然わかっていませんでした。
まずは表2の国立大学の場合を事例にしてお話ししますが、4年間の大学費用として約300万円は準備しよう、という計画にしたとします。
500万円より少ない場合ですね。
はい、そうです。奨学金制度を利用したり、お子さんにアルバイトで補ってもらうという計画が必要になります。
例えば札幌で実際に大学生活を送る場合、家賃を含めて月にどのくらいの生活費がかかるんでしょう?
札幌の事例ですが、1ヵ月にかかる生活費の目安は10万円前後、といったところです。下記の表に大学生一人暮らしの生活費平均をまとめましたので、ご覧ください。
表3 大学生一人暮らしの生活費平均(札幌の場合)
アルバイトで全額稼ぐのは相当大変そう…。
そう思います。札幌の平均的な時給は930円〜で全国に比べるとやや低めです。週2〜4日、3〜5時間のアルバイトをしたとして、1ヵ月の賃金は2〜6万円程度なんです。今はコロナ禍でアルバイトできない場合もありますし。
そうですよね。コロナもいつまで続くかわからないし…。
そこで奨学金を借りる必要が出てくるわけです。
就職した後に奨学金の返還をしていくのがキツい、というニュースが一時期話題になっていましたよね。借りたら借りたで、後が大変そうで不安です。
返さなくてよい、もしくは減免される奨学金というものもあります。ただ、それぞれ条件がありますので、確認して申し込むことが必要です。一番下に「返済の必要なし!奨学金一覧」をまとめましたので、ご覧ください。
わぁ、いろいろあるんですね! 勉強になります。
ライフシミュレーションを作成しよう!
最後になりますが、教育資金を使った後に出てくるのは、今度は自分たちの老後の資金問題なんです。
老後! そうですよね。子どもたちが就職したら、次は自分たちの老後を心配しなくちゃ、ですね。
はい。そう考えると、教育資金のことはもちろん、老後も含めた将来にわたっての資金計画「ライフシミュレーション」を作ることが大切になってきます。
教育資金のことばかりに頭がいっていましたが、トータルで考えることが大事なんですね。
はい、その通りです。お子さんが小さい今のうちに、まずは「ライフシミュレーション」を立ててみて、どの時期にお金が必要になるのかを把握し、ご夫婦で相談するのも一つです。
ぜひやってみたいです!
ご興味のある方は、弊社で作成することもできますので、どうぞお気軽にご相談ください。
【参考資料】返済の必要なし!奨学金一覧
●給付(給与)型奨学金
一定金額を“もらえる(給付される)”奨学金制度。採用基準は高めで、成績優秀、品行方正、健康状態良好などの応募条件がつけられていることが多い。出身校や在籍校の推薦が必要、給付対象の高校・大学が指定されているなど、条件が限定されていることも。事前に奨学金実施団体に問い合わせをして、応募条件を確認しておく必要あり。
【奨学金給付団体】
①地方公共団体、公益法人、民間企業などの各種団体
地方自治団体の返済不要な奨学金は、都道府県よりも、若者の地元定着を希望する市区町村のほうが多く制度を持っていると言われている。まずは地元の役所などに問い合わせてみよう。地方公共団体は北海道内7団体(北海道および6市町/十勝管内なし)、公益法人が3団体で月額5千~2万5千円程度を給付。
②進学先の学校
北海道内の大学・短期大学に限ると41大学(国公立8校、私立33校)で実施。新入生および在学生を対象に月額2~4万円程度、また新入生のみを対象とした年額60万円超の給付、入学奨励金として入学金相当額を給付している大学も。
●免除・減免型奨学金
入学金や授業料などの学費の一部または全部を“支払わずに済ませてもらえる(免除する)”奨学金制度。学校独自の奨学金制度として用意されるのが一般的。給付型奨学金と比べると、採用の条件が比較的緩やか。入学時や入学後の成績が指定条件以上、学校指定の資格を取得、スポーツや芸術の全国大会で上位入賞、親兄弟の卒業校に入学、などの条件が見受けられる。
【奨学金給付団体】
進学先の学校 北海道内の大学・短期大学では、免除型奨学金の実施は29大学(国立2校、私立27校)、また減免型奨学金の実施は18大学(国公立4校、私立14校)
●高等教育の就学支援新制度
金銭的な問題で就学が難しい学生を助けるための新しい制度。令和2年4月にスタート。「授業料等減免」と「給付型奨学金」の支給を合わせると最高190万円前後を支給。在学中の家計急変や、入学金も対象となっており、今までにない画期的な制度。適用条件と対象となる高等教育機関(大学・短期大学・専門学校など)が限られているため、利用を検討する前に自身が対象になるかチェックを。
【対象者】
世帯収入が380万円程度までの学生 ※基準を満たす世帯収入は家族構成により異なります
【対象機関】
北海道内の大学・短期大学は52大学が対象
【詳細】
文部科学省の特設サイト
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm
●返還免除制度
定められた条件を満たすことで、奨学金の一部または全部の返済が免除される制度。卒業後の就職先が制限されたり、指定条件を満たせなくなった場合に借入金の一括返還をしなければならない、などのデメリットはあるが、学費を抑えながら有用な資格が取れるメリットのある制度。
【奨学金給付団体】
①看護系の専門学校や大学
看護師資格取得後、指定病院に一定年数勤務するという条件を満たすことで、奨学金の返済が免除されるという形式が一般的。看護系の他、人手不足に悩む各種業界や、若者の地元離れが進む地方自治体でも同様の制度が用意されている場合もある。
②医学部の地方枠入試
同趣旨の修学資金貸与制度が付随する場合もあり。
いかがでしたか?お子さんの教育費も、予定を立てて準備していくことが大切なようですね。1,000万円なんて無理!とあきらめずにトライしてみませんか?そして、より具体的にお話を聞きたい方は、リブラス株式会社にお問い合わせください。リアルな奥寺さんがさらにわかりやすく説明してくださいます!
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