【わざわざ買いに行きたいパン②】CocoLi(ココリ)

例えば100キロ離れていても、例えば片道1時間かかっても、食べたくて食べたくて買いに行ってしまうパン。時間も距離も飛び越えて、心を掴んで離さない魅惑のパンのひみつに迫る。第2回目は、音更町の「CocoLi」(ココリ)を訪ねた。

大切な人を思う、“体に優しく”にこだわりを持ったベーグル

白樺並木に溶け込むように看板があった。元々は離農跡地だったこの場所に建つのは、ベーグルを販売する「CocoLi」。30~40年放置されていた建物を土地のオーナーと共にリノベーションした。

扉を開けると外観からは想像もつかない、こぢんまりとした木とモノクロのシンプルな空間。大きなテーブルに商品が一つずつ整然と並び、まるでギャラリーのようだ。店舗は2020年8月にオープンしたが、その前は約1年間イベントでの販売のみだった。お客さんからの反応を得て改良を重ね、「そろそろ店舗を」と土地を探していたところ、この場所に巡り合えたという。

店舗に行けなくても、週末のイベントで出会える機会が多い。

そもそも十勝では専門店は珍しいベーグルを選んだのはなぜか。「初めは子どもたちに食べさせるおやつとして手作りしていたんです。夫がボディメイクの競技者として活動しており、減量のためにパンよりカロリーを抑えたベーグルを作ったのがきっかけです」と話してくれたのはオーナーの甫木(ほぎ)志織さん。

ベーグルはもちもちとして、ぎっしりと詰まった生地が特徴。しっかりした噛み応えで、満腹感も得られる。卵、油、乳は不使用で、無添加、国産・道産の素材を使用している。サンドにはご近所の野菜を活用し、子どもにも安心して食べさせられる。子どもはあまり噛む癖がついていないので、よく噛むことでより顎を使わせることもできるという。

家族を想うお母さんの目線で作られたベーグルは、実に素朴で優しい味がする。店名は娘さん2人の名前を組み合わせたもの。看板は向かい合わせの子どもの横顔、そしてベーグルが両端からかじられたようなデザインだ。2021年には店舗隣の建物に旦那さんの自家焙煎珈琲店「甫」(はじめ)もオープンした。

「イベントへの出店が始まりでしたし、人との繋がりを大切にしたい」と現在もさまざまなイベントに精力的に出店しているが、人がたくさん集まるイベントと、静かでのびのびと過ごせる店舗との違いを楽しんでいるという。「自分たちの居場所は自分たちで造る」という甫木さん夫婦の想いはこれからも広がっていく。

敷地内には母屋、馬小屋、物置、倉庫があった。向かって右隣の元馬小屋には自家焙煎珈琲店「甫」(はじめ)と、ファッションメゾンの「Maison NOUMU」(メゾン ノウム)が入っている。

プレーン(220円)
ココリのベーグルは長時間発酵で、子どもも食べやすいようにやわらかめなのが特徴。

ベーグルサンド スモークサーモン(550円)
バジルとディルを混ぜたクリームチーズが、スモークサーモンとの相性抜群。

デーツチョコ(380円)
有機ココアにデーツで甘みを付けたチョコ風クリームが入った、お子さんに人気のベーグル。

ブルーベリークリームチーズ(350円)
生地に練り込んだベリーの酸味と、中にたっぷり入ったクリームチーズのまろやかさがクセになりそう。

無花果胡桃(350円)
中にはドライ無花果と胡桃がたっぷり。優しい甘さで食感も楽しい。

ベーグルサンド 野菜ベーコン(550円)
キャロットラペに厚切りベーコン。お食事にもピッタリのベーグルサンド。

CocoLi
(ココリ)
電話番号 080-6712-8172
住所 音更町字東和東2-59-9
営業時間 火・水曜 11:00~15:00

※掲載内容は2022年8月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。